タンセイエンヂニヤリング
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アウトドアグッズ・キャンプ用品、
飯ごう専用炊飯器「飯ごう焜炉」、
設計・製造・通販の
ハンゴーコンロ研究所。

美談でも何でもない、行き当たりばったりの開発バナシ。

私、ご飯を炊く係でした。

私はキャンプへ行くとたいがい「ご飯を炊く」係でした。もちろん飯ごうで。野外で飯炊きといえば飯ごうしか頭になかったんで。
何家族かで行ったりすると、各家族ごとにメニューを出し合ってみんなでいただくという方法でした。
うちも、さすがにご飯だけではないので、他の料理も作りますが、火でご飯を炊くとなると、そこからなかなか離れれなくてずっとそこで炊けるまで「メシの番」をしないといけなくなってしまうんです。
沢山人数がいて全員が料理ゴコロのある人なら任せられるんですけど、、、。ましてや次に作る料理も火力は薪や炭。ついつい見栄をはって「焼くだけ」「煮るだけ」じゃなくて手のこんだ料理を計画したりするんです(自業自得です)。
何か上手く手間が省けるようにできないかな~とずっと思っていました。

こんなことを書くと小さい頃から根っからのアウトドアボーイだと思われますが、中学の時、学校行事で「野外活動センター」へ行った後の作文だったかで、最後に「・・・もう二度と行きたくありません」などと書いて、先生にどえらい怒られた経験があります。何かイヤだったんでしょうね~。


リーマンショーック!

2008年9月15日。
世間は大騒ぎです。うちはすぐには影響は出ませんでした。が、じわりじわりと真綿で首を絞められるかのように影響が出てきて2009年夏頃にはかなり仕事が減ってヒマになってきてしまいました。何とか2009年は乗り切れそうだ。しかし、2010年もダメらしい。ほんとに、身も心も追い込まれて行きそうでした。
でも待てよ、仕事の少ないこの時期に「上手く手間が省ける」やつを開発しよう。と。希望の光!か!?


上手く手間が省けるやつ

2010年、できる限り会社の経費を節約し「上手く手間が省ける」やつを開発することにした。
お隣の工場はリーマンショックなんてどこふく風。忙しく、皆、せっせと働いている姿をうらめし気に見ながらチマチマと開発を重ねて行くのでした。
設計図なんて無く、とりあえずこんな形で・・・みたいにして。
燃料も、ヤシガラ炭、着火炭(卵パックみたいなやつ)、かんたん炭(マッチ1本で着火できる)など、手間無く着火できるものをメインに、備長炭、黒炭、マメタン、薪、マツボックリなど色々。
まぁ、だいぶ作りました。材質の選定から穴の数やら色々。
テストの度にご飯を炊いていては、ご飯だらけになるので、ここぞという時以外は水だけ入れて、沸騰時間で効率を見ていました。
そこそこの形になったのですが、何かもうひとひねりないかな~と思っていました。


師匠のヒント

「師匠」といってもその方に弟子入りしていたわけでもなく、皆から「師匠」と呼ばれていた方です。
私、2003年から地元の「文化を守る会」なるものに首をつっこみ、「師匠」はその会長をされており、親しくさせていただいておりました。「師匠」は私より20歳ほど上で職業はカメラマンをされていました。「上手く手間が省けるやつ」もそろそろ形になってきたので「師匠」に「こんなやつを作ってますねん。完成したら写真撮ってくださいよ」みたいな話から「燃料はかんたん炭みたいなのをセットにしようと思ってます」とか。色々と話したのです。たいていは、お酒飲みながらね。
「師匠」は昔からキャンプ好きで、全盛期にはキャンピングカーをあつらえたほどの方です。色々と話の中で「今はこんなかんたん炭みたいなのもあるんやな~。俺らの頃は無かったな~」などと話ながら、「簡単といえば、アレは使えんのかい。あの旅館で出てくる一人鍋の青いやつ。」
そうか、あれなら燃料が無くなれば火が消えるし。使えそう。
で、翌日、厨房機器屋さんに向かうのでした。

※かわいがっていただいていた「師匠」。2012年秋、他界。ハンゴーコンロ研究所のトップページの写真は「師匠」に撮っていただいたものです。


遊びじゃないのよ

そんなこんなで、開発場所といっても、自分の工場の中か外。中は通常のしごと。という訳で、たいがいは外で実験を行っていました。端から見れば「工場の外で毎日お湯わかして何してはるんやろ?」と思われても仕方ないこと。実際、製品ができて売り出すことになった時、隣の工場の方からは「遊んでると思ってたわ(笑)」ですと(笑)。遊んでたワケじゃなかったんですよ~…。


2010年11月23日「ハンゴーコンロ」販売開始

野外で炊飯を経験されている方にすれば、鍋であろうが、飯ごうであろうが、竹であろうが、炊くことができるのです。火で調理するのは楽しいですしワクワクします。しかし、炊飯器以外での炊飯が初めて(または初心者)の方にとっては「黒こげ・生煮え・すすだらけ」の不安がありますよね。そんな初心者の方にはもちろん、熟練者の方にもぜひ手に取っていただきたい、自慢の一品になりました。

やっと販売にこぎつけました。私の感想はというと、何せ他に比べるものがないので、こやつがカッコいいのか悪いのか...。試行錯誤、できたらこんな形だった…みたいな。カワユイやつです。
機能的にも「上手く手間が省けるやつ」にバッチリなりました。

※2013年「ハンゴーコンロ研究所」発足。ハンゴーコンロ専用の部署の設置と、専用ウェブサイトを立ち上げました。


「飯ごう」という選択

2011年2月号のBE-PALに掲載していただいた時も記事に「なぜ飯ごう?という疑問は・・・」とも書かれていました。
なぜ「飯ごう」なのか?
それは、だって、好きなんだもん(笑)。
その出で立ち、機能、入手しやすさ、ステキです!
その理由で十分でしょ?


この世の中に「ハンゴーコンロ」って必要なのか?

よく聞かれます。
私には必要ですけど、あなたには要らないかもしれませんね。


日本人ご飯を食べようよ

ハンゴーコンロはおいしいご飯が炊ける焜炉です。もちろん、ご飯以外の料理もできます。
電気炊飯器も年々進化していて、やっぱり日本人「おいしいごはん」が好きなんですよね。「おいしさ」って人それぞれで、もっちりご飯がおいしいと思う人もいれば、さらっとご飯が好みな人もいます。同じのばっかり食べていると飽きたりもします。そんな「メシ炊き器」の一つとして追加していただければと思う次第であります。
また、毎年、新米の季節にキャンペーンを行っているのも「ご飯っておいしいんですね」を確認したくて。です。農家の方とコラボみたいなのもできたらいいなぁ。と、思っています。


★ハンゴーコンロ開発秘話。
「美談でも何でもない、行き当たりばったりの開発バナシ」

この辺でお開きにしたいと思います。ありがとうございました。今後も色んな製品をリリースしていく予定です。
まだまだ無名なハンゴーコンロよろしくお願いいたします。

2014.1.20 丹生照之